北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年7月現在の「道の駅 マオイの丘公園」の車中泊情報をご紹介。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
商業施設がリニューアルされた「道の駅 マオイの丘公園」は、ジンギスカンで有名な長沼にある札幌市民の憩いの場。
「道の駅 マオイの丘公園」 DATA
道の駅 マオイの丘公園
〒069-1460
北海道夕張郡長沼町東10線南7番地
☎0123-84-2120
営業時間
4月~11月:9時~18時
12月~3月:9時~17時
店舗により営業時間・休業日が異なる。
年末年始(12月31日〜1月3日)休館
「道の駅 マオイの丘公園」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第11回
登録日/1996年8月5日
2022年7月、本館リニューアル完了
2023年4月、野菜直売所をリニューアル
「道の駅 マオイの丘公園」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2012.08.04
2014.07.26
2015.07.30
2016.09.30
2018.07.22
2022.08.07
※「道の駅 マオイの丘公園」での現地調査は2022年8月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年6月に更新しています。
道の駅 マオイの丘公園【目次】
「道の駅 マオイの丘公園」のロケーション
「道の駅 マオイの丘公園」は、札幌から夕張を経て、日勝峠超えで帯広方面へと通じる国道274号、通称“樹海ロード”沿いにある道の駅。
国道274号は道東自動車が開通する前は、札幌から道東へ抜ける主要幹線だったが、現在は道東自動車のトンネルで日勝山脈を抜けられるため、このルートを通る旅人は少なくなった。
とはいえ…
野菜の一大産地で、味付きジンギスカンが有名な長沼町にある「道の駅 マオイの丘公園」は、札幌市街から日帰りで出かけるのに、ちょうどいい郊外型の道の駅で、周辺の住民には相変わらず人気が高い。
旅人でここを利用しているのは、そのことを知るリピーターで、隣接するパークゴルフ場や温泉で、のんびりと寛ぎたい人が大半だろう。
その意味からすると、「道の駅 マオイの丘公園」は「道の駅くろまつない」と共通しているように感じる。
ただ…
もし純粋に、札幌から道東方面に向かう際の車中泊地としてお考えなら、「道と川の駅 花ロードえにわ」のほうが、「旅の宿」には適しているだろう。
「道の駅 マオイの丘公園」の施設
「道の駅 マオイの丘公園」の人気を支えているのは、収穫時期に合わせて、朝採れの新鮮野菜を農家が直接持ち込み、直販してくれるこの「マオイの丘ファーマーズマーケット」だ。
取材時の写真は以前の様子だが、2023年4月に、立派な屋根付きの施設にリニューアルされている。
いっぽう、2022年に一足早くリニューアルされた本館は、以前は観光案内所的なイメージだったエントランスが、打って変わって垢抜けし、まるで百貨店のような様相になっている。
こちらは2016年に撮影したエントランスだが、同じ道の駅だとは思えない(笑)。
ただ”器と中身”をよく見ると、少しやりすぎの感もある。
それでも、ながぬま温泉の名物の「源泉豆腐」が健在だったのは良かった。
ちなみに「道の駅 マオイの丘公園」でも、長沼ジンギスカンの老舗「タンネトウ」の冷凍品は置いてあったが、冒頭で見せた筆者がウマイと思う「かねひろ」の商品はなかった。
「かねひろ」のジンギスカンは、直営店か、ながぬま温泉に行けば手に入る。
なお2階のレストランも「レストラン美夕」から、下高井戸に本店がある「ピッツェリア トニーノ」に代わっている。
合わせて、本館に併設している24時間トイレも綺麗に。
もちろんこちらには、ウォシュレットが完備している。
今度は駐車場についてだが、「道の駅 マオイの丘公園」の駐車場は、大きく2ヶ所に分かれている。
こちらが広くて「マオイの丘ファーマーズマーケット」に近い、イラストAの駐車場。
路面は平坦だが、場所によってはトイレまでかなり遠くなる。
こちらがBの駐車場。こちらも路面はフラットで、公園の緑地エリアに隣接しているため、静かで車中泊にはこちらのほうが落ち着けるだろう。
バイクの後ろにあるのが、屋外の24時間トイレ。ただしこちらにはウォシュレットがつけられていない。
最後に…
「道の駅 マオイの丘公園」の野外24時間トイレの近くには、”北海道の名付け親”である「松浦武四郎紀行足跡之碑」の碑が立てられている。
以下は書かれた碑文の要約だ。
安政4年7月(旧暦) 、札幌~夕張新道の調査を命ぜられ、石狩川より千歳川を遡上、旧オサツ、マオイ沼を船行してこの幌内に上陸、馬追山を超え、その帰途またこの地に泊して詠す。
出るよりやがてかたぶく月影の
移り行く世のならひをぞ思う
”マオイ沼を船行して”との記載から、船で訪れたことが推測できるわけだが、マオイというのはアイヌ語で「ハマナスの実の多い所」という意味で、当時存在したマオイ沼の付近には、ハマナスの群生地があったようだ。
「松浦武四郎」は、アイヌの長老アエトモからヒントを得て、もともとは「北加伊道」を創案したと云われており、道北の天塩町より遥かに内陸部にある、音威子府(おといねっぷ)村を流れる天塩川の中流域に、「北海道命名之地」の碑がひっそりと立てられている。
そんな「松浦武四郎」の人生は、2019年に北海道150年記念として「永遠のニㇱパ 〜北海道と名付けた男 松浦武四郎〜」というタイトルでドラマ化されているので、ご覧になられた方も多いと思う。
くしくも主演は「どうする家康」と同じ松潤だが、阿部寛くらいの配役でもいいくらいのストーリーだけに、力不足感は否めなかった。
ドラマで描かれていたとおり、「松浦武四郎」は松前藩に奴隷扱いされていたアイヌを開放した救世主として、今でも北海道で慕われ続けている。
北海道には「道の駅 マオイの丘公園」の他にも、「松浦武四郎」の顕彰碑が50ヶ所以上あるといわれているが、興味のある人は以下の動画が役に立つだろう。
でも、こういう詳しい解説がないと、興味も湧きませんわな~(笑)。
商売熱心なのは分かるけど、”公共施設である道の駅”という観点に立てば、ちいとは改修予算を、そういうところにも回して見ては?どうだろう。
「道の駅 マオイの丘公園」の車中泊好適度
「道の駅 マオイの丘公園」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:自動販売機の横に設置
空き缶とペットボトルが捨てられるだけマシ… 北海道を旅していると、道の駅ではそんなふうにさえ思えてくるのだが、
ちなみに、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 マオイの丘公園」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
ながぬま温泉
※約7キロ・クルマで10分
☎079-670-7070
おとな700円
9時~22時 (受付最終21時30分)
定休日なし
コンビニ
セイコーマートまで約250メートル。
スーパーマーケット
約9.4キロのところに「Aコープ ながぬま店」がある。
「道の駅 マオイの丘公園」のアクセスマップ