この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 おだいとう」は、立地はいいがあまりにも簡素といえる道の駅
道の駅 おだいとう【目次】
「道の駅 おだいとう」のロケーション
2011年に開業した「道の駅 おだいとう」は、野付半島のトドワラ行きの観光船が発着する「尾岱沼(おだいとう)漁港」から、4.5キロほど国道244号を根室方面に走ったところにある。
実は夏になると、野付湾には野生のアザラシがやってくる。
さて。「道の駅 おだいとう」の駐車場からは、天気が良ければ海の向こうに国後島がはっきり見える。
それもあって、敷地には北方領土返還を願って建造された「叫びの像」と「北方展望塔」があるのだが、実はそれらは、ここが道の駅に認定される前からあったものだ。
根室管内には「道の駅 おだいとう」の他に、根室市の「スワン44」と、羅臼町にある「知床・らうす」の2つの道の駅があるが、100キロ以上離れた両者の間に、かつては道の駅がなかった。
そのため10年以上前から、中間地点にある「北方展望塔」を道の駅にする計画が検討されてきた経緯がある。
しかしそれに向けた同施設の改修工事が、民主党への政権交代後の「仕分け対象」に挙げられるなど、道のりはけして容易なものではなかったようだ。
ただ客観的には、これまで北方領土のことを詳しく知るには、根室半島の先端にある納沙布岬まで行かなければならなかったことを考えると、この「北方展望塔」の道の駅化は、より多くの人に北方領土問題を再認識してもらう良いきっかけになったことは確かだろう。
さて。そんな難しい話とは別に、「道の駅 おだいとう」の誕生を心待ちにしていたクルマ旅のリピーターは多かったはず。
「道の駅 おだいとう」の施設
冒頭で紹介した通り、「道の駅 おだいとう」は高速道路のPA並みの簡素さで、今時の道の駅としては、むしろ希少といえる存在だ(笑)。
ただ横長の駐車場はそこそこ広く、普通車は56台停められる。また駅舎内にあるトイレは24時間利用でき、個室もウォシュレットに改修されていた。
残念ながら筆者が到着した時は閉館後で、1階にある売店とレストランは見れていないが、車中泊には特に支障は感じなかった。
ただ、ここで車中泊をするなら食糧と飲物は、あらかじめ用意していくほうがいいだろう。
展望塔の2階は展示室になっている。北方領土の歴史や返還に向けた過去からの取り組みなどを、映像とパネルと通して知ることができる。
「道の駅 おだいとう」の車中泊好適度
「道の駅 おだいとう」の最寄りの温泉&周辺買物施設
浜の湯
大人440円
営業時間:14時~22時・火曜定休
コンビニ
セイコーマートまで約3.7キロ
スーパーマーケット
30分以内のところに大きな店はない。