この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 縄文ロマン 南かやべ」は、縄文時代の国宝「中空土偶」を展示する世界遺産のミュージアム
道の駅 縄文ロマン 南かやべの登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第36回
登録日/2011年8月25日
筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2012.08.09
2020.08.06
※「道の駅 縄文ロマン 南かやべ」での現地調査は2020年8月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2022年9月に更新しています。
道の駅 縄文ロマン 南かやべ【目次】
「道の駅 縄文ロマン 南かやべ」のロケーション
もうこの道の駅については、ロケーションを語る前に結論を書いてしまおう。
「道の駅 縄文ロマン 南かやべ」は、道路休憩施設とはおよそ縁遠い、事実上の古代歴史ミュージアムで、本来は車中泊をするような施設ではない。
ただ「道の駅」である以上、車中泊をしても邪険にされることはないと思うが、「変わったお人やな」と思われるくらいの覚悟は必要だ(笑)。
とはいえ、旅人が悪いとは思わない。
トラックが来ることもない施設まで道の駅にしてしまうから、勘違いをするのは当たり前…
悪いのは、節操なく道の駅を認可している国土交通省で、そうとは知らずにやってくる旅人は、むしろその被害者だろう。
ということで、『「道の駅 縄文ロマン 南かやべ」って車中泊に向いてる施設かな』と、リサーチにお越しいただいた方には納得いただけたと思う。
筆者なら間違いなく、17キロ・クルマで20分ほど離れた「道の駅 しかべ間欠泉公園」か、約30キロ・クルマで35分と距離は離れるが、風光明媚なビーチに面した「道の駅 なとわ・えさん」を選択する。
だが…
ここにあるのは、世界遺産の構成要素に指定された縄文時代の遺跡と、そこから出てきた国宝だ。
せめてそれが、どういうものなのか…
くらいは確かめてからでも遅くはない。
そう思った人は、もう少し読み進んでみられてはいかがかな。
古代遺跡が渦巻く奈良に近い大阪在住の筆者は、歴史にも多少の覚えがあり、ホームページにはこういうコーナーもある(笑)。
ということで、2021年7月に世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」をダイジェストでご紹介。
北海道・北東北の縄文遺跡群
まず日本における縄文時代とは、旧石器時代の移動生活から脱却し、弥生時代から始まる農耕を覚えるまでの期間を指す。
「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、北日本の豊かな自然の恵みを受けながら、1万年以上にわたり、採集・漁労・狩猟によってこの地に定住した縄文時代の人々の、生活と精神文化を現代に伝える文化遺産として、日本のみならずユネスコからも高い評価を受けている。
定住したことで人々の知識が蓄積され、時間のゆとりは土器づくりに代表される豊かな造形美を育んだ。
また同時に大規模な地殻変動や気候の変動を受ける中で、日本の宗教の原点となる自然崇拝も始まっている。
国宝・中空土偶
1975年(昭和50年)に、旧南茅部町で農作業中の主婦によって偶然発見された、約3500年前の縄文後期に作られたと推定される空洞の土偶。
日本全国で5体しかない国宝指定の「土偶」のひとつで、「南茅部の中空土偶」から2文字をとった「茅空(カックウ)」の愛称で親しまれている。
専門家によって復元された「茅空」は、高さ約40cm、肩幅は約20cm。中空土偶としては国内最大で、その大きさや装飾の素晴らしさ、焼きの精度を上げるための両脚を繋ぐ管の工夫など、あらゆる面で多くの人を驚かせたという。
「何のために作られたのか」、あるいは「何に使われていたのか」は今なお不明のようだが、「茅空」は2007年に北海道唯一の国宝に指定され、2011年10月から、「道の駅 縄文ロマン 南かやべ」を兼ねる「函館市縄文文化交流センター」で常設展示されている。
フラッシュを使わなければ撮影は自由。並んで記念写真を撮ってもかまわない。
たったの300円で、3500年前の国宝と記念撮影ができる場所は、北海道広しと云えども、ここしかない。
ちなみに3500年前というのは、あの「ツタンカーメン」もまだ生まれていない大昔でっせ~!(笑)
函館市縄文文化交流センター
南茅部一帯の縄文遺跡群を含め、函館市内の様々な遺物を1000点以上展示している一大博物館。煮炊きに用いられた土器や、採集・漁労・狩猟に使われた様々な道具が陳列されている。
函館市縄文文化交流センター
入館料 一般300円
9:00~17:00(11~3月は16:30まで)
月曜及び毎月最終金曜日定休(祝日の場合は翌日)
「道の駅 縄文ロマン 南かやべ」の施設
さて。
中抜せずにここまで御覧頂いた方は、もうさすがに「ここのどこが道の駅やねん!」という怒りの矛は収まりつつあると思うが(笑)、実際は博物館の売店が道の駅になっているだけであることに変わりはない。
売店で販売している土産品と呼べるのは、地元特産の昆布を使った加工品くらいで、後は記念品に近い雑貨が中心。
小さなイートインスペースはあるが、食堂はなく軽食類も用意されていない。
それがどの紹介サイトを見ても、金太郎飴みたいにこの「じょうもんクルミソフト(税込330円)」が出てくる理由だ。
確かに安くて美味しいが、それだけしか書けないのなら、最初から紹介しなくていいとも思う(笑)。
なお24時間トイレは館内にあり、ウォシュレットも完備されている。
最後は駐車場だが、路面はフラットで国道278号は通行量も少ないため、車中泊に支障はないが、前述した通り、普通はここでの車中泊は遠慮するだろう。
自らの「車中泊ノート」に、ここでの記録を書き添えたところで、たぶん何の足しにもならないどころか、見た人からはバカにされるかもしれない(笑)。
「道の駅 縄文ロマン 南かやべ」の車中泊好適度チェック!
ゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:なし
自販機横に紙コップ専用のゴミ箱のみ設置
【プロの寸評】
立ち寄って、国宝見て、アイス食べて次へ向かう。月並みだけど、ここではそれが正解です(笑)。
道の駅 縄文ロマン 南かやべ オフィシャルサイト
「道の駅 縄文ロマン 南かやべ」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
南かやべ保養センター
※約6キロ・クルマで10分
☎0138-25-6111
おとな400円
10時〜21時・年中無休
コンビニ
ローソンが約1.3キロのところにある。
スーパーマーケット
周辺には大きな食品スーパーは見当たらない。