この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 おんねゆ温泉」は、層雲峡から網走に通じる「大雪国道」のオアシスと呼べる道の駅
「道の駅 おんねゆ温泉」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第9回
登録日/1995年8月3日
筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.07.13
2011.07.21
2013.07.18
2014.07.09
2016.06.16
2022.07.26
道の駅 おんねゆ温泉【目次】
「道の駅 おんねゆ温泉」のロケーション
「道の駅 おんねゆ温泉」は、知床方面から層雲峡に向かう途中で、「もうくたびれて運転は嫌だ!」っという頃に現れてくれる、まさに車中泊の旅人にとっての「オアシス」とも呼べる施設だ。
筆者は2000年から2016年までに3度、ここで運転を挫折して「緊急車中泊」をしており、道東自動車道の延伸とともに「大雪国道」を通らなくなっていった。
なにしろこの「道の駅 おんねゆ温泉」を過ぎると、あとは層雲峡まで行かなければ、車中泊どころかコンビニひとつなくなってしまうのだから、大雪国道を走るのは本当に疲れる(笑)。
もっとも… くたびれるのは筆者だけではないのだろう。
収容台数100台を誇る「道の駅 おんねゆ温泉」の駐車場は、平日でも比較的混んでいることが多いようだ。
ちなみに、道の駅から1キロほどのところには無料の「おんねゆ温泉 つつじ公園キャンプ場」がある。
パークゴルフ場にも隣接しており、終日のんびりしたい人には、こちらのほうがお勧めだ。
「道の駅 おんねゆ温泉」の施設
初めての人は駅名に「温泉」がつくので、日帰り温泉が併設していると勘違いするかもしれないが、敷地内に温泉施設はない。
ただ「温根湯温泉街」と隣接しているので、クルマで5分も走れば外来入浴を受け付けてくれるホテルがある。
「道の駅 おんねゆ温泉」の敷地は驚くほど広大で、100台をゆうに越す数の車両を収納できる駐車場、売店、テーブル&ベンチがある屋内休憩所、どこからでも目立つからくり時計の「果夢林」、さらには2012年に刷新された話題の「山の水族館」など、車中泊でなく休憩で立ち寄っても十二分に楽しめる。
こちらは24時間トイレ・観光案内所・休憩室がある「クリーンプラザおんねゆ」。
ありがたいことに休憩室も24時間開放されているので、ライダーや自転車の旅人は、雨の日の避難所として使うことが可能だ。
24時間トイレは改修され、ちゃんとウォシュレットが設置されている。
飲食ができるのは「からくり王国」の看板が並ぶこのエリア。
ただ、ここは民間というよりは個人商店の集合体のようで、オープン以来たぶん改修されていないのだろう。
そのため未だ昭和の雰囲気が漂っており、さすがに時代を感じる。
いっぽうこちらは「果夢林の館」の中にある、地元の特産品を展示・販売する「果夢林ショップ」。
特に木材を使った雑貨の品揃えが豊富で、見ていて楽しい。
さらに「果夢林の館」には、このショップの他に、木製遊具を設置した「果夢林ワールド」と手軽に木工作を体験できる「クラフト体験工房」があり、道の駅のスタンプラリーの受付も行っている。
「果夢林の館」の前にあるのは、「道の駅 おんねゆ温泉」のランドマークともいえる「からくり時計」。
毎時0分になると、お決まり通りに中から人形が出てきて合唱を披露してくれるので、それなりに和めて悪くはないのだが、「何かが足りない気がする」。
例えば同じ「からくり時計」がある愛媛県の道後温泉の場合、踊るのは夏目漱石の小説「坊っちゃん」に登場する面々で、本や映画を見た人間なら一度は見たくなるし、街角にはそういう装いをした若いガイドさんが立っているなど、テーマ性を持たせた工夫をしている。
さて、次は車中泊について。
車中泊で注意したいのは駐車位置だ。国道側の駐車場には大型トラック用のレーンがあり、云うまでもなく夜間はエンジン音が響いている。
ゆえに車中泊には、写真の「からくり時計」側の駐車場のほうがいい。
最後に水場はあるが、こういうこと(笑)。無料のキャンプ場がそこにあるのだから、ここでそういうことをするのはやめましょう。
「道の駅 おんねゆ温泉」の車中泊好適度
【プロの寸評】
前述したように「道の駅 おんねゆ温泉」には統一感がない。
たぶん「森」がテーマなのだろうが、如何せんインパクトが弱く、一体感をほとんど醸せていないのが実情だ。
立地からすれば、大人気の道の駅になってもおかしくないだけに、「道の駅白銀ビルケ」などを参考にリニューアルをしてほしいと願う。
美瑛の白金温泉と同じく、温根湯の場合も道の駅で客を引っ張り、その恩恵に温泉街が授かるという構図のほうが良さそうだ。
いずれにしてもパーツは揃っているので、誠実なコンサルに頼めるだけの予算が組めれば、再生はさほど難しいことでもないだろう。
「道の駅 おんねゆ温泉」の最寄りの温泉&周辺買物施設
温泉街は道の駅の裏手にあるが、日帰りの公共温泉は7キロ以上離れた留辺蘂まで行かないとないので、近くのホテル・旅館の外来を利用する人が多い。
おんねゆ温泉街 日帰り入浴情報
留辺蘂の公共温泉の詳細はこちら。
コンビニ
セブンイレブンまで約1.2キロ
スーパーマーケット
「ラルズマート留辺蘂(るべしべ)店」まで約10キロ
※「Aコープおんねゆ店」は閉店