この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
2020年開業の「道の駅 るもい」は、町中の大きな公園に隣接している観光案内所のような道の駅
道の駅 るもい【目次】
「道の駅 るもい」のロケーション
留萌(るもい)は江戸時代から昭和の初期にかけて、ニシン漁で栄えた町で知られている。
町のランドマークともいえる「黄金岬」の名前には、海の彼方から押し寄せてくるニシンの大群が、まさに黄金に染まって見えたからという逸話が残されているだけに、よほどニシンの魚影は濃かったのだろう。
ちなみに留萌は、往時に比べると量は1/100ほどになっているとはいえ、今でもニシンが水揚げされ、カズノコの国内最大の加工地の座をキープしている。
さて。明治以降は漁獲量が減って下降線を辿っていた留萌の町は、大正時代に炭鉱が発見され、昭和22年頃には留萌本線・羽幌線・天塩炭砿鉄道・留萠鉄道・達布森林鉄道などの鉄道路線が留萌駅に乗り入れしたことで、再び活況を取り戻した。
そんな炭鉱で発展した町と鉄道の栄枯盛衰を、ヒロインの一生を通じて描いたのが、1999年放送のNHK朝の連続テレビ小説「すずらん」だ。
「すずらん」は同年に公開された、高倉健主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」とあいまって、全国から熱い視線を浴びることになる。
それから20年を経た現在の留萌は、札幌・稚内と旭川の主要都市を結ぶ国道が交わる立地を生かした、道北エリア最大級のマリンスポットとして、新たな道を歩み始めている。
ただ、本州から北海道にやってくる車中泊の旅人にとって、留萌は立ち寄りづらい場所だけに、ここはリピーター向けのところだと思う。
「道の駅 るもい」の施設
高規格幹線道路「深川・留萌自動車道」の終点「留萌インター」からクルマで5分の場所に位置する「道の駅 るもい」は、留萌地域のゲートウェイとして2020年7月に開業したばかりの真新しい道の駅だ。
ゲートウェイを意識しているだけあって、周辺マップはよく揃っているし、表示も多国語化されていて、インバウンドにも対応できている。
「道の駅 るもい」は、広大な「るしんふれ愛パーク(船場公園)」の一画に設けられており、公園内にはパークゴルフ場とドッグランもある。
この環境なら、観光地の道の駅とは違い、キャンプ行為さえしなければ、終日のんびりしても目くじらを立てられることはないだろう。
普通車107台を収容できる駐車場は、見るからに平坦で、車中泊に支障はない。施設が新しいため、トイレはもちろんウォシュレットだ。
ただしここは「黄金岬」からは約2.5キロ・クルマで5分ほどの場所なので、夏休みになれば、キャンプをしない道内からの車中泊旅行者が、夕方から続々と訪れる公算は高いだろう。
またこれまで無料とはいえ、狭くて快適とはいえない黄金岬キャンプ場で車中泊をしていた人も、たぶんこちらに流れてくるように思う。
なお「道の駅 るもい」の物販飲食については、駅舎内でなく、駐車場にあるこのブースに集約されている。
さすがは本場。インスタントの「にしんそば」を見たのは初めて。
ただここにはレストランはなく、食事はテイクアウトのお弁当か軽食類になる。
残念ながら、可燃物のゴミ箱は見当たらず。空き缶・ペットボトルのゴミ箱については未確認だが、撮影してきた写真では見当たらない。
「道の駅 るもい」車中泊好適度チェック!
「道の駅 るもい」最寄りの温泉&周辺買い物施設
ホテル神居岩
道の駅から約10分
☎0164-42-3500
大人450円
10時~23時
公式サイトには日帰り入浴に関する表記なし。コロナ対策かもしれないので、行かれる際は事前に電話で確認を。
ホテル神居岩で入浴ができない場合は、道の駅から約15分のところにも日帰り利用のできる施設がある。
小平町総合交流ターミナル ゆったりかん
道の駅から約13キロ・12分
☎0164-56-9111
おとな500円
10時~22時(受付最終21時30分)・第3火曜定休
コンビニ
ローソンまで約350メートル
スーパーマーケット
「中央スーパー本店」まで約1キロ