北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年8月現在の「道の駅 みついし」の車中泊情報をご紹介。
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
温泉が併設する「道の駅 みついし」は、襟裳岬に一番近い道の駅。
「道の駅 みついし」 DATA
道の駅 みついし
〒059-3233
北海道日高郡新ひだか町三石鳧舞161-2
☎0146-34-2333
営業時間
4月~9月:8時45分~22時
10月~3月:8時45分~17時
年末年始(12月31日~1月5日)休館
「道の駅 みついし」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第8回
登録日/1995年4月11日
「道の駅 みついし」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2009.07.09
2013.07.02
2021.07.04
※「道の駅 みついし」での現地調査は2021年7月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年8月に更新しています。
道の駅 みついし【目次】
「道の駅 みついし」のロケーション
本州から車中泊で北海道を訪れる旅人にとって、「道の駅 みついし」は「襟裳岬」への旅路と無縁ではあるまい。
この”陸の孤島”と呼ぶに相応しい最果ての岬に、行けばどうにかなるだろうという”ノープラン”で訪ねるのは、現地を知るものから云わせれば、”大した度胸”だと思う(笑)。
冒頭で「道の駅 みついし」は「襟裳岬」の最寄りの道の駅と書いたが、その間の距離は約67キロ…
休憩なしでも1時間30分ほどは、太平洋に沿って続くこの国道235号を、ひたすら走り続けなければならない。
それもひとり旅ではけっこう辛いが、問題は別にある。
道の駅のある「三石」地区は、海が自慢で他には本当に何もない(笑)。
つまりここでは、海浜公園と温泉が隣接する「道の駅 みついし」の敷地内で、のんびりと時を過ごすのが”王道”だ。
それにはキャンプをするのが一番だが、「三石海浜公園オートキャンプ場」にはAC電源と上水道付きの高規格なサイトしかなく、利用料金は1泊6,410円と北海道でもトップクラスを誇っている。
それが嫌なら、好む好まないにかかわらず、明るい時間帯から道の駅に長時間駐車するほかない。
そうなるのを回避する一番の方法は、苫小牧寄りにある「道の駅 サラブレッドロード新冠」を利用することだろう。
車中泊までしてしまうのが楽チンだが、景色と温泉までの近さを選ぶなら、夕方以降に「道の駅 みついし」に到着すればいい。
ただいずれにしても新冠で観光をしないと、旅はスムーズに進まないと思う。
また「襟裳岬」から帯広方面に約70キロ、クルマで1時間30分ほど北上したところには「道の駅 コスモール大樹」がある。
利便性が高く、周辺の観光地へのアクセスがいいことから、実は今の筆者はこちらから「襟裳岬」にアクセスすることが多い。
「道の駅 みついし」の施設
一部前述したように、「道の駅 みついし」は「三石海浜公園キャンプ場」と「みついし昆布温泉蔵三」を併設しており、全部を合算すると266台が駐められる巨大な駐車場を有している。
海辺なので全体的にフラットで、その点では車中泊に支障はないのだが、普通車にはトイレから遠い「みついし昆布温泉蔵三」側の駐車ゾーンが充てがわれている。
だが、さすがにちょっと不親切と思う人もあるのだろう。
道の駅の数ヶ所に、このような注意書きが貼られていた。
道の駅の言い分も分からぬではないが、本州の道の駅から見れば、それほど狭いというわけでもない。
ロケーションの項で説明したように、「襟裳岬」を目指してくる旅人にも、ここで長居をせざるを得ない事情がある。
そのあたりを踏まえて、実質的には「みついし昆布温泉蔵三」側での車中泊を、多少は甘めに黙認するよう計らってはいるのだろう。
さて。
かつての「道の駅 みついし」には、コインランドリーとコインシャワーの設備があったが、現在は撤廃されている。
今でもオートキャンプ場とバンガローは営業しているのだが、2017年に大波を受けて以降、ビーチでの海水浴が禁止となり、そこにコロナ禍が重なって利用客が激減したことで、合理化が図られたようだ。
駅舎の2階にあった食堂も、「みついし昆布温泉蔵三」のレストラン「お食事処 旅篭(はたご)」と競合することもあってか、今は閉鎖されている。
ただ「お食事処 旅篭」の営業時間は11時~21時(LO/20時)で、メニューも豊富で値段も比較的リーズナブル。利用客に支障があるわけではなさそうだ。
逆に嬉しいことに、24時間トイレは改修されてウォシュレットが設置されていた。
ちなみにゴミ箱はいっさい見当たらなかったが、ほかのブロガーの記事に、旅の途中で出たゴミは、営業時間に道の駅カウンターにて、有料で処理してもらえるとの情報があった。
ただ公式サイトがあれば、こういった情報は苦労せずに得られるだけに、そういうところにはお金をかけていただきたい。
最後は売店だが、メインはもちろんダシや料理に幅広く使える万能の昆布として有名な日高昆布だ。
また、こんぶ焼酎や昆布ゼリーなどの加工品も並んでいた。
キャンプ場を併設しているので、商品類の品数は豊富なほうだと思う。
「道の駅 みついし」の車中泊好適度
「道の駅 みついし」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・なし
旅行中のゴミは店内のカウンターで有料で回収してもらえるとのこと。もちろん、オートキャンプ場の利用者は無料で回収してもらえる。
もっとも… 日本には可燃ゴミを無料で回収している道の駅がこれだけあるので、一部の人達のように、”諸手を挙げて有料回収をありがたがる”のはどうかと思う。
道の駅が可燃物のゴミ箱を置かないのは、道の駅での車中泊以上にグレイなお話なのでは?
なぜなら、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 みついし」の温泉&周辺買い物施設
みついし昆布温泉 蔵三
※隣接
☎0146-34-2300
おとな550円
10時~22時(受付最終21時30分)
不定休
コンビニ
セイコーマートまで約4キロ。
スーパーマーケット
約4キロのところに「Aマート みついし店」がある。
「道の駅 みついし」のアクセスマップ