「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、20年以上かけて味わってきた全国のソウルフード&ドリンクを、そのレシピと老舗・行列店を交えてご紹介します。
関西人でも馴染めるつゆで、喉越しの良いそばが味わえるアットホームな店
外観・店内ともに、まったく「そば処」っぽさを感じさせない「手打ちそば処 霧立亭」だが、「旧添牛内(そえうしない)郵便局」を改装して、2002年(平成14年)にオープンしたと聞いて少し納得。
むしろどこにでもある、水車が横で廻る和風の店より新鮮かもしれない(笑)。
幌加内の市街地から約25キロ離れた、国道239号で日本海側の苫前町に抜ける「霧立峠」の麓にあるため、ライダーの口コミで評判が広がっているようだ。
「手打ちそば処 霧立亭」には温・冷合わせて20種類程度のメニューがあり、名物のそばの実のかまぼこを使った「冷やしそばかま天そば」は、ここでしか食べられないオリジナルメニューと聞いていたが、筆者はあえてシンプルな「もりそば」を注文。
さほど「そばの味」が分かるわけではないが、「そばがおいしい店」を確かめるには、やはりベストな選択だと思う。
筆者の場合、「幌加内のおいしいそばのメニューがある店」を探しに来てはいない。「そば処」と呼ぶ以上、そばそのものが他と違ってどうおいしいのかを実感したいし、またその理由にも興味がある。
こちらが幌加内のオリジナル品種「ほろみのり」の玄そばを使い、中力粉と石臼で丹念に挽いたそば粉を、二・八の割合で手打ちした自慢のそば。
季節がら香りまでは感じられないものの、固めでコシがあり、そばきり(麺)としての一体感が出ているために喉越しもいい。
しかも、つゆが関東ほど辛くはなく、関西人でも馴染める程度に甘さがあるのが筆者には良かった。
とはいえ「宣伝先行」というイメージは拭えない。どこの町にでもある「値頃でちょっと美味しいアットホームなそば屋」という印象だった。
ちなみに「霧立亭」には、店構えからは想像もつかない、立派なオフィシャルサイトが用意されており、自慢の手打ちそばを通販で買うことができる。
手打ちそば処 霧立亭
〒074-0746 北海道雨竜郡幌加内町添牛内
☎0165-37-2233
営業時間
5月~10月/11:00~16:00 (ラストオーダー15:30)
11月~4月/11:00~15:00 (ラストオーダー14:30)
月曜定休