道の駅 うとろ・シリエトク 車中泊好適度をクルマ旅のプロがチェック! 2023年7月更新

道の駅 うとろ・シリエトク北海道の旅の宿にお勧めしたい道の駅

北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年7月現在の「道の駅 うとろ・シリエトク」の車中泊情報をご紹介。

「正真正銘のプロ」がお届けする車中泊スポットガイド
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
クルマ旅専門家・稲垣朝則の主な著書
車中泊の第一人者と呼ばれる稲垣朝則が、これまで執筆してきた書籍・雑誌と出演したTV番組等の紹介です。
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「道の駅 うとろ・シリエトク」には、知床半島でいちばん車中泊をする人が多くなる本当の理由がある。

道の駅 うとろ・シリエトク

「道の駅 うとろ・シリエトク」 DATA

道の駅 うとろ・シリエトク
※公式サイトなし
〒099-4354
北海道斜里郡斜里町ウトロ西186-8
☎0152-22-5000
営業時間
9時~17時(レストランは10時~15時)
年末年始(12/29~1/3)休館

「道の駅 うとろ・シリエトク」の登録日

※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。

登録回/第23回
登録日/2007年3月1日

「道の駅 うとろ・シリエトク」の筆者の歴訪記録

※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。

2008.07.09
2010.09.02
2011.07.20
2014.07.14
2015.08.07
2016.06.12
2017.08.06
2018.07.06
2020.07.31
2021.07.09
2022.07.28

※「道の駅 うとろ・シリエトク」での現地調査は2022年7月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年6月に更新しています。

道の駅 うとろ・シリエトク

道の駅・うとろシリエトク

~プロローグ~
「道の駅 うとろ・シリエトク」は
知床半島のゲートウェイ

「道の駅 うとろ・シリエトク」の
ロケーション

「道の駅 うとろ・シリエトク」の施設

「道の駅 うとろ・シリエトク」の
車中泊好適度

「道の駅 うとろ・シリエトク」の
最寄りの温泉&買い物施設

「道の駅 うとろ・シリエトク」の
アクセスマップ

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プロローグ~ 「道の駅 うとろ・シリエトク」は知床半島のゲートウェイ

知床半島マップ

オホーツク海沿岸を走る国道334号線沿いに建つ「道の駅 うとろ・シリエトク」は、知床半島のゲートウェイと呼ぶに相応しい道の駅だ。

国内のみならず世界中からやってくる旅行者に向け、世界自然遺産のガイダンスを担うべく、2007年4月に開業した。

マッコウクジラ

2005年に世界自然遺産に登録された知床半島は、ガラパゴス諸島やグレートバリアリーフと肩を並べる、自然を愛する旅行者にとっての憧れの場所だ。

だが残念なことに、日本人で知床半島が世界自然遺産に登録された理由を正しく説明できる人はほとんどいない。

「道の駅 うとろ・シリエトク」で車中泊をしてみようと思うのなら、トイレがキレイかどうかより先に、まずはそのあたりから入ってみてはどうだろう(笑)。

この記事を見ていただければ、知床半島が北海道の中でも「どれだけ異質なところか」がご理解いただけると思う。

掲載しているリアルなワイルドライフの写真に驚かれるかもしれないが、もちろん写真はオリジナルで、自ら撮影したものばかりだ。

カムイワッカ湯の滝

筆者は2000年に初めて知床半島を訪れて以来、2022年までの間に都合14度、大阪からはるばる知床半島に足を運び、コツコツとそこに暮らす野生動物たちの姿をカメラに収めてきた。

「道の駅 うとろ・シリエトク」についても、2008年に初めて訪ねて以来、約15年にわたってコンスタントに見続けてきた経緯がある。

ここではそれをベースに、車中泊クルマ旅のプロの目線から「道の駅 うとろ・シリエトク」の車中泊事情をお話したい。

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「道の駅 うとろ・シリエトク」のロケーション

オホーツクライン

知床半島へのアクセスは、国道334号で斜里を超えてウトロに入る方法と、野付半島方面から国道335号で羅臼を目指す2つのルートがあり、羅臼にも道の駅は用意されている。

道の駅しゃり

まず国道334号でアクセスする場合、ウトロより約40キロほど手前に「道の駅 しゃり」がある。

町中にあるため利便性には長けているが、世界自然遺産を思わせる景観はなく、また駐車場も狭いため、「知床半島の玄関」と呼ぶに相応しいとは思わない。

大半の旅行者がさらに40分ほど走って、「道の駅 うとろ・シリエトク」まで進もうと思うのは当然だ。

道の駅 知床らうす

いっぽう「道の駅 知床らうす」は、車中泊禁止は解除されており、現在はウトロと同様に車中泊は可能だが、駐車場のキャパは相変わらず少ない。

それゆえに車中泊旅行者は「道の駅 うとろ・シリエトク」に集中する。

というのは、あまり知床のキャンプ事情をよく知らない人の答えでしかない。

実は「道の駅 うとろ・シリエトク」から、わずか1.5キロ、クルマなら2.3分のところに、フリーサイトで一部クルマの乗り入れができる「国設知床野営場」がある。

道の駅 うとろ・シリエトク

「道の駅 うとろ・シリエトク」にもこういう表示があるし、かつては筆者も「国設知床野営場」をよく利用していた。

道の駅 うとろ・シリエトク

もちろんその背景には、迷惑な行為が平気でできる人たちとは「同居」したくないという思いがあった。

だが近年は、あえて「道の駅 うとろ・シリエトク」で車中泊をしている。

ヒグマ

その最大の理由は、ヒグマの人里への出没頻度の高まりにある。

生息地なので以前から見かけることはあったが、ここ数年は知床横断道路近辺での遭遇確率100%(笑)。

多い日は1日に違う場所で、2度3度出会うこともある。

国設知床野営場

バイクや自転車で知床を訪れ、夜はテントで寝るキャンパーが、もし満員でキャンプサイトに入れず、そこらの空き地で野営をする羽目になれば、我々クルマで寝る旅人とは危険度がまったく異なる。

そこへ持ってきての、キャンプブームだ。

そのため「国設知床野営場」は、オートキャンプ・スペースを削減し、テントサイトを増やさざるを得ない状況になっている。

つまりそれが、「道の駅 うとろ・シリエトク」で車中泊をする旅行者が増えた要因にもなっているわけだ。

ただ知床峠を超えた先にも、駐車場で車中泊ができる「国設羅臼温泉野営場」があり、車中泊は前述した「国設知床野営場」より圧倒的にやりやすい。

とはいえ、利便性を考えれば、

徒歩圏内にセイコーマートとセブンイレブンのほか、海鮮料理店やコインランドリーがあり、日帰り温泉の「夕陽台の湯」や、外来入浴を受け付けてくれるホテル街まで、クルマなら5分ほどしかかからない「道の駅 うとろ・シリエトク」を、「クルマ旅の宿」に使わないのは、車中泊旅行者の視点からすれば「ありえない」(笑)。

「クルマ旅の宿」というのは、夕方到着して翌朝には立ち去る道の駅の使い方… 

つまり国交省の云う「仮眠」ってやつのことだ。

彼らは「車中泊」の定義の中に、「キャンプ行為」や「長期滞在」などのマナー違反まで含めているから見解が違っている。

確かに車中泊旅行者の数が増えれば、マナーの悪い人の数もそれに比例する。

写真はトイレに貼られた道の駅からの「お願い」だが、現実に書かれているような行為が頻発していることを物語る、何よりの証拠だろう。

しかしだからといって、「十把一絡げに、車中泊旅行者=マナーを知らない人扱いする」ような、SNSへの書き込みやマスコミの報道には我慢がならない。

特に「道の駅 うとろ・シリエトク」には、先ほど書いたように、あえて「国設知床野営場」をライダーたちに譲って来ている車中泊旅行者もいる。

キャンピングカーに乗っているだけで、マナー違反をしそうな目で見られるのは、インバウトで日本にやってきた近隣諸国の人たちが、つい最近までホテルに泊まればインテリアまで持ち帰っていた中国人に疑われるのと、いったいどこが違うのか?

良きにつけ、悪しきにつけ、評価すべきは個人の行動。

身に覚えのないことで「差別」を受けるのはいい迷惑だ。

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「道の駅・うとろシリエトク」の施設

道の駅 うとろ・シリエトク

まず駐車場はサービスエリア的なレイアウトで、ほとんど傾斜はなく、車中泊をするのに支障はまったく感じられない。

24時間トイレはこちらサイドにあるので、車中泊は「世界遺産センター」と反対の端のほうがいい。

道の駅 うとろ・シリエトク トイレ

もちろんトイレは、ウォシュレットを完備している。

館内に入るとコンシェルジュが常駐する観光案内所があり、天気予報や半島クルージングの予約状況まで教えてくれる。

売店には鮮魚類も置いてはいるが、量や種類は「道の駅 知床らうす」のほうが充実している。

さてこちらは、トイレに貼ってあったゴミの回収料金表。

以前はなかったと思うが、キャンプ場から締め出された車中泊旅行者向けに、新たに始めたサービスかもしれない。

ただ分別が多少細かいのと、ゴミ袋のサイズが分からないのが残念だ。

知床 ゴミ袋

筆者は羅臼側で泊まることが多いので、ゴミは100円の専用袋を購入し、「国設羅臼温泉野営場」か「道の駅 知床らうす」で引き取ってもらっている。

なお知床半島の道の駅は両方とも、自販機で買った飲料の空き缶・ビン・ペットボトル用のゴミ箱は置いている。

ちなみにウトロのセブンイレブンは、店内にもゴミ箱を置いていない非常識極まりない店なので注意しよう。

筆者はここで氷のパーティーパックを買って、車内でポットに移し替え、そのカラを捨てに店内に戻ったのだが、悪びれる様子もなくゴミ箱は置いていないと云われて唖然。この店には2度と行かない。

「道の駅・うとろシリエトク」の車中泊好適度

駐車場の平坦性=○
駐車場のキャパシティー=普通車:87台
ゴミ箱の有無=可燃物は有料で引取り・缶とペットボトルはあり
ウォシュレットの有無=あり

旅行情報の充実度=○
付帯設備の充実度=○
周辺の車中泊環境=△

「道の駅 うとろ・シリエトク」のゴミに対する対応

可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:館内にあり

ちなみに、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。

「家庭ゴミ」とは、家庭で発生する、もしくは一度家庭に持ち帰ったゴミを指す言葉で、ゆえに市町村が定めた指定のゴミ袋に分別して、指定回収日に出すことが義務付けられている。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。

道の駅氷見

こう説明すれば分かりやすいと思う。

近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。

それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。

弁当

ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、

道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。

すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。

明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。

車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。

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「道の駅 うとろ・シリエトク」 最寄りの温泉&買い物施設

夕陽台の湯

夕陽台の湯
道の駅から1.2キロ(坂道なので自転車はたいへん)
☎0152-24-2811
おとな500円
14時~20時(受付最終19時30分)・営業期間中無休

コンビニ
すぐ近くにセイコーマートと、セブンイレブンがある。

スーパーマーケット
40キロほど離れた斜里まで出ないと、本格的なスーパーマーケットはない。

「道の駅 うとろ・シリエトク」アクセスマップ

マップをグーグルナビに切り替える方法
スマートフォンでご覧の方は、「拡大地図を表示」をタップし、画面が切り替わったら下の「ナビ開始」をタップするとナビゲーションが始まります。 高速道路か国道にするかを選びたい場合は、「ナビ開始」ボタンの左にある「経路」をタップすると表示されます。
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